美しいこと 上巻
木原さんの新刊!日高ショーコさんの表紙がめちゃ美しい(*´▽`*)
ちょっと〜、いつにもましてすごくよかったんですけど〜・・・。でも「そんな焦らしプレイな・・・」なとこで終わってる・・・(−−;
なぜか人が人を想う様に、途中で何度も泣けてきました・・・(;_;)あぁ・・・やっぱり木原さんがすごくすごく好きだと思う作品です。
![]() | 美しいこと(上) (Holly NOVELS) (Holly NOVELS) (2007/11/21) 木原 音瀬 商品詳細を見る |
あらすじ
松岡洋介は週に一度、美しく女装して街に出かけ、男達の視線を集めて楽しんでいた。ある日、女の姿でナンパされ、散々な目に遭い途方に暮れていた松岡を優しく助けてくれた男がいた。同じ会社で働く、不器用、トロいと評判の冴えない男、寛末だった。女と誤解されたまま寛末と会ううちに、松岡は「好きだ」と告白される。松岡は、女としてもう会わないと決心するが…。
感想
同じ会社の総務・寛末基文×営業・松岡洋介。
松岡は以前の彼女が部屋に残した洋服を自分も着れるんじゃないか?ってふとした思いから、着てみたら案外似合っていて、それで外に出たら男達に声をかけられて、そんな男達をあざ笑って女装を楽しんでいたんです。それが裏目に出てある日散々な目に合ったところを、寛末に救われ、そこから女性と偽ったままの松岡と、松岡を女性と信じた寛末の付き合いが始まる訳ですが・・・。
女装した松岡は名前を聞かれ母の旧姓「江藤葉子」と名乗り、声を出すと男とバレるのでしゃべれない、と筆談でコミュニケーションをとります。
松岡は、自分を好きだという寛末の真剣で真摯な態度に惹かれていき、二度と寛末には女装で会わないと決めるのに、寛末の自分への好意が心地よくて、結局ズルズルとメールのやり取りをしたり、結局はその後も女装して会ったりします。
でもいつバレるか分からない、所詮自分は男である事実。寛末には「他に好きな人がいる」と言って一旦は振るものの、友達でもいいという寛末にその後もつい思わせぶりな態度を取ってしまったりするのです。
この松岡が、自分のことを女性だと思って真剣に告白してきて、誠実に向き合ってくれている寛末に惹かれていくのは当然の流れだ・・・と思います。それぐらい普段不器用で冴えない寛末が、好きな人に対して純粋で真剣なんです。寛末が女装した松岡を一途に想う様は本当に健気で純粋なんです。
葉子が綺麗だと、好きでたまらないと、正直に真剣に言葉にしてくる・・・。
最初、電話番号を聞いてくるだけで、ものすごく真っ赤になって震えている・・・。
こんな人、むちゃくちゃかわいいじゃないですか(^^)
葉子が好きな人がいるから・・・といえば潔く身を引くし(引きずってはいますが)、葉子が思わせぶりな態度を取れば、好きな人がいても友達から・・・自分にチャンスが少しでもあるなら側にいたい・・・と一度振られても、振り回されても健気に言ってくる。
葉子が本当は男だから身体の関係を持つのを嫌がれば絶対に手を出さない、例え一晩一緒に過ごしても・・・。
とにかく寛末は葉子を気遣い、気持ちを思いやり、健気に純粋に接してくるのです。
そんな寛末にとうとう堕ちてしまう松岡。
結局本当のことを言えないまま、寛末に「私も、あなたが好きです」と返してしまいます。
この後の木原さんの一文が怖い・・・。
「この時点で、松岡は恋愛に関して自分が弱者になってしまったということに気づかなかった」
そう、木原さんの追う者と追われる者が逆になってしまう怖いいつものパターンですよ(゜д゜;
寛末に堕ちた松岡は、いつまでもこのままじゃいられないと思いながらもう少しだけ・・・と葉子のまま会い続けるのですが、結局は本当のことを言わないといけないはめになります。
でも寛末は「葉子が子供でもおばあちゃんでも好きだ」「中身が好きだ」という。そんな寛末なら、自分が男だと知っても大丈夫じゃないかと信じて、松岡は本当のことを言う訳です。
でもそれは、寛末が葉子がそんなはずはないからと思い込んでたから言えた訳でもあったんじゃないでしょうか。
葉子が実は男だと知って、いくら葉子がどんな姿でもいい、中身が好きだから・・・ってそうそうすぐに受け入れられる訳がないじゃないですか。
綺麗な女性が実は女装した男性だった・・・そこから恋が・・・なんて軽くない訳ですよ。
もちろん寛末は男だと知った松岡を頑なに拒否します。
でも松岡は葉子の中身に惚れてくれてたのなら、もう一度今度は男の自分としてやり直せないかと、好きになってくれないかと、その後も寛末にメールしたり、食事に誘ったりするんです。
でも寛末はそれがものすごく苦痛なんですよ。
これってめちゃくちゃキツイですよ。好きな人に自分と一緒にいるのが苦痛だなんて言われたら、死にたくなりますよ・・・(;_;)
松岡はどうしようもなく、じゃあ男の自分とヤってみたらいいんじゃないかって、寛末を挑発したら「葉子」と強引に思い込んで滅茶苦茶にヤられてしまいます・・・。好きな相手にそんなことされたらたまらないですよ。でもそれでも松岡は寛末が好きなんです。どうしようもないんです。でも自分は男。いくら自分が葉子になったって、どうしようもないんですよ。もう、読んでて切なすぎてたまらなかったです(;_;)
でもこれで寛末がどれだけ自分を嫌がっているか分かって、松岡は忘れる決心をするんですが。でも運命とは残酷なもので、今度は松岡と仲のいい同僚の女性が寛末と付き合っていることが判明するんです。しかも友人も誘って松岡と寛末はダブルデートとかさせられるんです。自分の好きな人を忘れたいのに、本人が恋人と仲良く目の前にいる・・・こんな拷問があるでしょうか。
その後も強引にダブルデートに誘われて、松岡は同僚の女性にも気を使ってしょうがなく一緒に行ったりするんですが、その寛末の恋人に醜く嫉妬したりする自分がすごく嫌になるんです。
そりゃそうですよね。それが普通ですよ。でもそんな醜い自分を自覚せざるを得ないのも嫌ですよね。もう読んでて苦しかったです。
でも寛末の今の恋人に対しての態度は、葉子への情熱的な恋の時とは全然違うんですけどね。今の恋人に対してはそっけないくらいで・・・。
木原さんが、恋愛に対してこれでもか?!ってくらいに、人のエゴやら醜い感情やら、人の心の底で流れていく自然な感情を、見事に抉り出して鮮やかに描いてくれています。
この筆致は本当にすごいです。
もうこんなところが大好きです、木原さん!
で、そういったモヤモヤした気持ちのまま上巻が終わってしまいます・・・(−−;あああああ・・・・。
この2人・・・結ばれるんですか???
木原音瀬 | Comment(2) | Trackback(1) | Top ▲









コメント
うわーん。゚(゚´Д`゚)゚。
ちょおおおおぉぉ
mikuさんの感想読んだら泣けてきたんですが!
どうなるのか気になって、無我夢中でとにかく貪り読んでしまったので、感想は二の次!って感じだったんですよね、だから、もっといろいろ考えながら、読みたかったなーと…ウワーン!!
てか、私読むの2回目wwすいません、記事UPされた時に一度読んでたんですよね〜。実際に読んだ今読むと、涙が…。
>この時点で、松岡は恋愛に関して自分が弱者になってしまったということに気づかなかった
この部分、「WELL」と読んだ時と似たような、ゾワッと悪寒のようなものがきましたよ…
さらっと読みやすく書かれているけれど、残酷なまでの寛末の拒絶に、松岡は本当ーに傷ついたに違いない(´;ω;`)
男だとバラして、それでもハッピーエンドだったらまさに「BL」って感じですが、寛末の拒絶っぷりが、リアリティ溢れていて、読み込まされました!
No:3961 2008/03/27 10:15 | 緋菜 #DFy5IfcsURL[ 編集 ]
>緋菜さん
うわーん。゚(゚´Д`゚)゚。
緋菜さん、ありがと〜!
自分で読み返してみて、なんかあん時の読後の勢いが・・・照れる(*´д`*)
いえ、いいんですよ!ブログの感想すら考えられない程無我夢中で読める本なんて素晴らしいじゃないですか!!!
木原さんの「追う者と追われる者の逆転」のお話には、今まで散々痛めつけられてきたので、怖いんですよ。逆に「WELL」のように、読んで普通に怖い方がまだ耐えられるというか。木原さんの「追う者と追われる者の逆転」は精神的にずーーーんと追い詰められちゃうんですよね(−−;
なんだか残酷なまでの寛末の拒絶・・・読んでてもすっごいしんどかったです(><;だって人の気持ち程どうしようもないものはないですからね・・・。しかも性別なんて自分じゃほんとにどうしようもないですもん。
あぁ、思い出すと胸が痛い・・・(ノ_・。)
ここまでの寛末のリアルっぷり・・・BLには本来いらないのかもしれないだろうけど(だって普通のBLってファンタジー色濃いし)、だからこそBLを超えてリアルだと思いますね〜。
早く緋菜さんの下巻の感想が読みたいっ!!!
TBありがとうございました!
No:3965 2008/03/28 01:24 | miku #-URL[ 編集 ]
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2008/03/27 | sweet slowjam |
美しいこと(上) 木原 音瀬
続きが気になりすぎていけない!! ふぉおおおおっ((((;゚Д゚))) なんだ、この怒涛の展開っ…!途中でやめられるものではありませんんんん...