BL本の日記

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月下の縁

2007/07/27 21:40 

久々の水原さんの新刊!!!最近の水原さんは痛さ度低めですねぇ。攻めの執着度合いも低めです。あの痛さと執着具合がツボなのですが。でも、それでも読ませてくれる作家さんなので好きです(^^)

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月下の縁 (ガッシュ文庫) / 水原 とほる

あらすじ
母を亡くし、倹しい生活を送っていた晶。しかし戦後の中華街で幼なじみの敬生と志を同じくし、日本人でありながら中華街に生きる台湾人としてそこを守ってきた。そんなある晩、中国から来た凱士という美丈夫に出会う。表向き貿易会社を営む凱士だったが裏では中国マフィアとの繋がりがあると噂されていた。中華街を脅かすものの正体を探るため、晶は凱士の懐に潜り込む。「あんたの仲間として認めるなら抱かれてもいい」晶の挑発に乗った凱士は、晶の身体を暴き立てようと甘くも狂おしい快楽を与え・・・。

感想
貿易会社社長・李凱士(リー・カイス)多分35歳くらい×食材の仲買人・双麻晶23歳。

戦後の横浜中華街を舞台に繰り広げられるお話です。
あらすじから、たおやかな受けが身体を売って生きるようなちょっとビッチなお話かと思いきや、戦後の日本や中国の歴史も絡ませ、外見は綺麗だけど男前な受けが、孤独な世界を同じく孤独な攻めと強く生き抜いていくような、BLの括りに拘らない割と骨太なお話だったのかなぁと思います。

晶は絹の輸出業で栄えた莫大な財産を築く双麻家の息子。でも、その財産を築き上げた祖父が死に、戦争を経て、父も愛人と共に財産を持って逃げ、母は自殺、金もない孤独な身となる。日本人でありながら、日本名を捨て双(スワァン)として、幼馴染みでもあり恋人の台湾人・敬生(チンスェン)に支えられて横浜中華街に生きてきた。でも、日本人の父を持つ中国から来た凱士と出会い、晶は最初はスパイとして凱士のもとに潜入するのですが、同じ孤独な凱士に自分と同じ魂を持つことを知って惹かれていく。例えどんな仕打ちを受けても・・・。

水原さんといえば、痛いシーン・・・ですが、今回も凱士のもとにスパイとして潜入したことがバレて、凱士に鞭で打たれ、様々な男に凱士の前で陵辱させられ、阿片を吸わされ中毒手前までさせられます。でもそれはあくまで晶がスパイをした報復としてしょうがないこと。そして、そんな仕打ちをする凱士も、晶がスパイ行為がバレてそんな報復を受けてでもかばう恋人がいることに憎らしさを覚え歯止めを失っていたのです。凱士も好意を寄せていた晶に裏切られつらかったんでしょう。

凱士はひどい仕打ちをしながらも、晶に孤独な自分の身の上を話し、そんな凱士に晶は自分と同じものを感じて惹かれていくんです。そして今まで自分を大事にしてくれた敬生との関係に疑問を持ち始めます。

そんな凱士の元に、晶の幼馴染みであり恋人の敬生が助けに来るのですが、結局晶は凱士の手を取ってしまうんです。そして、凱士の日本での数々の不法取引が明るみに出そうになって、アメリカに逃げることを決意するのですが、凱士は晶に一緒に来ないかと言います。今まで強引だったくせに晶に選択させる凱士。家族もなく未練がないとはいえ、育った日本を離れることに途惑う晶ですが、凱士と一緒に行くことに決めます。でも、凱士は日本を発つ日に、敬生に晶を向かえに来させるんです。
凱士は孤独で晶を必要としていて、本当はこのまま晶と一緒にアメリカに行くことが嬉しいだろうに、晶が敬生と共に日本に残ることも選択させるんです・・。これからアメリカに行って二度と帰ってこれないかもしれない晶に対する凱士の優しさなのですが、凱士にとっても恋人に未練のある晶ならこれから見知らぬ異国で自分とは一緒にいられないと思ったんでしょうか。
でも、結局晶は凱士についていくんですが。きっと晶は敬生と日本に残ってもそれなりに幸せにやっていけるんでしょうけど、晶は今まで大事にしてくれた敬生に言います。

どうしてだろうな。ただ、出会ってしまったんだ。それだけなんだ・・・・・・

晶が敬生に感じ重ねたのは失った父親かもしれない。そして凱士に重ねたのは同じ孤独。それは両方とも恋愛感情かどうかは分からないけど、晶と凱士は魂が一緒だったのではないでしょうか。今後ずっと一緒に側にいることができるのはどちらか・・・恋愛感情とはそういうものなのかも。

アメリカに渡った後の数十年後の凱士と晶。
それは、同じようにアメリカに渡った、昔の晶の仲間・羅鴻健(ルゥオー・ヨーンジェン)視点から語られます。

BL枠を超えて、歴史上の出来事と国を挟んで、人と人との関わりを読んだ気がしました。ちょっと切ない感じです。

欲を言えば、もっと凱士と晶の甘いシーンが読みたかったかなぁ。凱士が不器用すぎ?
でも、晶が望んだ愛の言葉を凱士は決して口にしないくせに、晶が眠っている時にその言葉を口にするのにきゅ〜んとしました。

水原とほる | Comment(10) | Trackback(3) | Top ▲

コメント

こんばんは

BLの枠を越えた深いお話になっているようですね。
mikuさんの感想を真剣に読んでしまいました。
イラストも好みですし、機会があったら読んでみたいです。
また、読みたいリストが増えていきます(^_^;)


No:2329 2007/07/27 23:09 | yinghua #fWN6a4wEURL[ 編集 ]

これまだ到着してませんが、早くから注文してました♪
そうですか〜、横浜中華街が舞台ですか。
一瞬「チャイナ・ローズ」を思い浮かべてしまいましたよー。
あれは・・・意外とお話があっさりしていたというか、なんというか・・・でも今回はけっこう書き込まれている感じですね。
早く読みたいです。
最近ほとんど小説を読んでいないので、お久しぶりの活字ですよ〜(情けなや・・・)
ほかに読みたいものは、やっぱり崎谷さんかしら。
あ、でもその前に「のーとん」ですよ!
mikuさんもやろう!


No:2333 2007/07/28 00:03 | 乱菊 #pMXl.iIsURL[ 編集 ]

yinghuaさんへ

BLというより、孤独な魂同士が結びついたって感じですかね〜。BL的甘さは控えめなので、もし甘い系がお好みでしたら少し物足りないかもしれないです(って水原さんで甘いってほとんどないですが(^^;)。

イラストは綺麗でした〜!特にチャイナ服着た受けちゃんがかわいかったです(訳あって女装なのですが)!

機会がありましたら本屋さんでぱらっと見てみて下さい(^^)


No:2336 2007/07/28 00:21 | miku #-URL[ 編集 ]

乱菊さんへ

あ、私も「チャイナ・ローズ」を思い浮かべました!あ、でもあの作品は、水原さんにしては痛くないとの皆さんの感想でしたので、実は読んでましぇん(^^;えへ。だから内容的は似てるか分かりませんが、話自体は濃いですかね〜。ただラブは少ないですかね〜。水原さんといえば、執着系の濃いラブってイメージなので、対水原比ですが。
コミック派の私にしては最近よく小説を読むようになりましたが、やはり読むより積まれていきますね〜(^^;
乱菊さんはお仕事お忙しいかったですし、情けなくないですよ!疲れた時は、アニメやゲームやCDの方が癒されますよね!今はだいぶ落ち着かれましたか?暑いしお身体にはお気をつけて萌えて下さいね!
あ、でも崎谷さんは結構さくっと読めるかもです。あ、エロはお腹いっぱいになっちゃいますが!

そうなんですよ!「のーとん」ですよ!もう、萌えが脳内飽和状態ですよ!でも、乱菊さんのプレイ日記読むと、お手軽エロに惹かれますよ(笑)!


No:2338 2007/07/28 00:37 | miku #-URL[ 編集 ]

こんばんは!mikuさん。
水原さんの作品の特徴って、泥沼の執着心から生まれる暴力的な(性)行為にあると思うのですが、今回の作品は主役二人がいずれも淡白で、あんまりそちら方面のカタルシスが感じられませんでしたよね…。
時代の流れに翻弄されて、二人が共にかつての同胞を裏切る…は言いすぎだな(笑)…まあ少なくとも切り捨てて、新天地へ出向くというラストはやはり切ないものがありましたけれど。
私の感想はかなり冷たいですが、この手の主題は大好きなんですよ…だけど、この二人は情緒面が薄くて感情移入しづらかったのです。

「チャイナ・ローズ」も横浜中華街が舞台ですが、時代が違う所為か作品の雰囲気はかなり違うかもしれません…。
アチラの作品は、あくまで変則的な三角関係のれっきとしたBL小説だったと思うので。
私は「チャイナ〜」も結構お気に入りなので、mikuさんも機会が是非読んでみてくださいな。
ではでは!

追伸>コミケカタログ買われたのですね♪
実は私、コミケにほぼ毎年参加してるものの、カタログは買ったことがなかったり(笑)。
いつも、人生行き当たりばったりです。


No:2347 2007/07/29 00:43 | tatsuki #-URL[ 編集 ]

tatsukiさんへ

おはようございます!

>水原さんの作品の特徴って、泥沼の執着心から生まれる暴力的な(性)行為にあると思うのですが・・・

tatsukiさんがおっしゃる通り、私、水原さんのこの特徴が好きなんですよね〜。なので今回欲を言うなら、そんな描写がなかったことが少々残念だった気もしますが(^^;

いや、tatsukiさんのレビューにはなるほどな〜と思いました。やはりあの長さでは、2人の情緒面まで掘り下げて盛り込むのは難しいのでしょうか〜。あれで情緒面が深かったらもっともっと切ない作品になったんでしょうかね。
確かに傍観者的な感じで読んでましたね〜。歴史的な背景も身近なものではなかったし。そして特に凱士の心情が分かりにくくて〜。

あの頃は見送った「チャイナ・ローズ」ですが、最近では水原作品に痛さや執着ばかりを求めている訳でもないので、tatsukiさんオススメのこの作品読んでみようと思います(^^)

コミケカタログ買っちゃいました。実は夏コミは初参加なので、やはり心もとなく(^^;買わなくても参加される方もいらっしゃるんですね〜!!!
>いつも、人生行き当たりばったりです。
tatsukiさんの意外な一面を見た感じです!!!

TBありがとうございました!


No:2350 2007/07/29 08:59 | miku #-URL[ 編集 ]

mikuさん、こんにちは!

>もっと凱士と晶の甘いシーンが読みたかったかなぁ。
私も同感です。
不器用な所も愛しいんですけどね!
他の男たちにやられている場面で、凱士がもっと嫉妬してる所が見たかったです。
嫉妬の余り暴走とかしてみたり(笑)
私が水原先生に求めているのは「痛さと執着」なので、凱士の執着をもっと感じたかったなぁと思いました。
文庫より新書で、その辺りをじっくり書いて欲しかったです。

チャイナドレスはよかったですね☆
ノーパンがステキ(笑)

TBさせていただきます!
それではまた〜


No:2358 2007/07/30 14:34 | にゃんこ #fwkSvwQ6URL[ 編集 ]

にゃんこさんへ

こんばんは!

>他の男たちにやられている場面で、凱士がもっと嫉妬してる所が見たかったです。
嫉妬の余り暴走とかしてみたり(笑)

全く同感ですね!水原さん=攻めの過激な執着!ですからね!凱士、嫉妬しながらじりじり見とくんじゃなくて、自分から晶に何かして欲しかったですね。
水原さんには、やはり痛さと執着を今後も追求して欲しいですね!だって私も水原さんで好きな作品って、攻めがイっちゃってるくらい受けに執着するようなお話なんですよね〜(^^;

チャイナの下のノーパンはびっくりでしたが萌えました。そしてなぜにチャイナの下にガーター?!って思っちゃいましたが、萌えてしまいました。挿絵もチャイナ満載でしたね!
「ファインダーシリーズ」といい、今月発売の華藤えれなさんの「上海夜啼鳥」といい、私の中でチャイナブームが来そうです!!!
にゃんこさんの「ノーパン(ノーフンドシ含)萌え」に笑ってしまいました!いや確かに萌えます!

TBありがとうございました!


No:2360 2007/07/30 21:54 | miku #-URL[ 編集 ]

mikuさん、こんばんは!

自分がとても捻た感想を認めてしまっただけに(すみません!)、人様の感想を拝見すると妙に安心感を覚えます。

自分の所では「非常に暑苦しい」コメントをお返ししてしまったので、短めのコメントとさせて頂きますが、恋愛面での甘さや激しさがもっと見られると良かったですね。

勿論、執着や痛さも。(笑)

それにしても、ここの所、「ノーパン」や褌といったものがプチブームですね。この作品でのノーパンには、私も勿論萌えましたが。(笑)

ではでは、TBお返しさせて下さいね!


No:2386 2007/08/03 18:25 | ハスイ #MMIYU.WAURL[ 編集 ]

ハスイさんへ

こんばんは!

>自分がとても捻た感想を認めてしまっただけに・・・

いえ〜、ハスイさんの感想は的確に捉えられてあって、いつもながら唸らされましたよ!決して捻てはなかったですよ!私も同じですから。少々ソフトに書いてはいるんですが、実際のところ「あの痛さと執着を!」って気持ちでいっぱいで(あ、書いちゃった)。
あと、やはりBLジャンルでは、きちんとした世界観や事件性があると読み応えがあって嬉しいですが、何よりラブが1番の読みどころですよね。その辺が今回はあと少し欲しかった・・・。

なんだか、私も最近ノーパン、ノーフンドシに萌えてしょうがない始末です(^^;自分でもこういうところに萌えがあったことにびっくりです。いや〜奥深いなぁ、BL。だからやめられない!

TBありがとうございました!


No:2394 2007/08/04 02:20 | miku #-URL[ 編集 ]

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2007/07/29 | la aqua vita |

月下の縁

掲示板で予告した通り、本日は久々の水原とほるさんの新刊『月下の縁』をご紹介いたします。ちなみに、以下の感想はまたも微妙なモノとなりそう…と言うか、多分誤読してると思われます。決して面白くなかったと言う訳では無い

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月下の縁水原 とほる Amazonで詳しく見る by G-Toolsシリアスな作品で女装プレイというのは珍しいですね。内容は消化不良でしたが、個人的には萌えがいっぱいでした…!【月下の縁/水原とほる/ひたき/ガッシュ文庫(2007年

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【内容紹介】母を亡くし、倹しい生活を送っていた晶。しかし戦後の中華街で幼なじみの敬生と志を同じくし、日本人でありながら中華街に生きる台湾人としてそこを守ってきた。そんなある晩、中国からきた凱士という美丈

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