POLLINATION 木原音瀬
![]() | POLLINATION 木原 音瀬 (2000/03) ビブロス この商品の詳細を見る |
「裸んぼ」シリーズで、だいぶ前に1番最初に読んだ作品。なので、谷脇って根気強いすごい人だと思ってたのでした(^^;
なので、今回「WEED」「FLOWER」と続けて読んで、またこの作品読み直して、そしたらこのお話の重みや谷脇への思いが、以前読んだ時とは全然違いました。シリーズ通して読んで更に谷脇が愛しくなりました。
谷脇がたどりついたとこはここだったのかーと。
あらすじ
谷脇の勤務する病院に急患が運び込まれてきた。怪我をしたその少年・佑哉の頼りなげな顔立ちに、心を激しく揺さぶられたかつての恋人を思い出した谷脇だったが、佑哉に激しく拒絶され・・・。
佑哉サイドからの書き下ろし続編「NEED」が同時収録。愛や恋、そういう気持ちを二人で覚えていこう―。
以下ネタバレ。
感想
「POLLINATION」
急患で運び込まれてきた少年・佑哉に、亡くした恋人・朗のおもかげを見た谷脇は、佑哉に興味を持ち身体を触ったりする。でも佑哉は自閉症で、他人に触れられるのをひどく拒絶する。それでもめげずに無理やり触る谷脇・・・。佑哉は谷脇を激しく嫌うようになる。
結局、唯一心から好きになった恋人にひどい扱いをしたまま亡くしたのに、何も変わってないのかと思いましたが、読んでいくにつれやっぱり朗は谷脇を変えたようでした。
もちろん、ひどい奴なのは変わってないですが、興味を持った相手に対して根本的な考え方が変わったように見えました。その興味を持った相手・佑哉には朗のおもかげを重ねて、セックスする時もつい朗と呼んじゃうんですが。
そんな谷脇が切なかったり、なんだか嬉しかったり。
やっぱりこれで松本は報われたのかな〜と思ったんですが、それは所詮本人は二度と知ることもできないのですが。
自閉症で母親に刺され谷脇の病院に運びこまれた佑哉は、父親もとっくに離婚しており、退院後行くところがない。谷脇は佑哉を好きにしたいがために引き取り、面倒を見ますが、そんな谷脇に佑哉が懐くはずもなく・・・。
でも不器用ながらいつの間にか佑哉と暮らすのに努力する(ように私には見えた)谷脇。そんな谷脇との暮らしに佑哉も慣れていきます。
谷脇は、佑哉と毎日セックスするのですが、それは谷脇が何も知らない佑哉に「これは高校生の男子が毎日しているオナニーだ」と教えたから日課としてやってるんです。
ここが谷脇の谷脇たるゆえんです。
そういえば、この悪行の数々、谷脇って何度捕まっても、訴えられてもおかしくないよ・・・(−−;
谷脇も今までならこんな面倒な子供にはあきてもよさそうなのに、手元から離したがらない。セックスしてることがバレて、結局佑哉は北海道の離婚したお父さんに引き取られますが、谷脇はわざわざ北海道まで会いに行く。そして大学生になったら一緒に暮らそうという。それまでは月に1回佑哉に会いに北海道まで行くんです。
あの谷脇が!!!あの非情な谷脇がです!!!
それもきっと松本のおかげだと思うと、やっぱり切ないような、嬉しいような複雑な気持ち。
しかし、あの谷脇が相手のために、ごはんをわざわざコンビニに買いに行ったり、ご飯を毎回作ってあげたり、かなりびっくりですよ(@_@;あの谷脇が・・・あの!
佑哉は自閉症で「愛」というものが何か分からないのだけど、谷脇への想いは愛であるだろうことが示唆されています。
「谷脇が、機械だと、僕は、怖く、ないです」
谷脇が近くに来ると気持ちが混乱するから・・・。
でも谷脇は、例え佑哉が「愛」を一生知ることがないとしても、ずっと一緒にいたいと思うのです。
しかし、谷脇のこの佑哉への優しさが松本にちょびっとでもあったらならなぁ(−−;
「NEED」
大学生になった佑哉視点のお話。
佑哉は東京の大学に合格し、また谷脇と一緒に暮らすことになります。
「POLLINATION」で谷脇への想いが愛情だと示唆された終わり方だったものの、佑哉自身にはやっぱりそれが何か分からないまま。
「谷脇」は「谷脇」でしかないと。
このお話では、佑哉が大学生活で周囲を通して、「愛」や「優しさ」を知るために、佑哉なりにがんばっていきます。
でも「愛」や「優しさ」をなかなか理解できない佑哉。
でも佑哉の心はもう愛を知っているんです。ただ本人がなかなか自覚できないだけで。
谷脇の側にいると苦しい。こんな感情は苦しい。
「愛は何ですか」
「知りたかったら、俺のそばにいればいい」
谷脇は答えますが、谷脇もまた松本を重ねた佑哉に出逢って「愛」を知ったと言えるんでしょうか。
これから2人で「愛」について考えながら生きていくのでしょう。
佑哉が本当に「愛」を理解できる日が来るかは分かりませんが、「POLLINATION」の終わりよりもちょっと前に進んでいるであろう佑哉と、今の谷脇なら大丈夫だろうなと思わされました。
しかし、すごいなぁ、木原さん。自閉症の子からの視点で小説書くなんて、大変だったろうなぁ。そしてそれが1番書きたかったんだからすごいです。
「FLOWER」の終わり方は悲惨だったけど、このお話でかなり救われました。
しかし、あの谷脇の歪んだ性格・・・奔放な恋愛・・・なぜそうなったかはよく分からないままだったなぁ・・・。ものすごく気になるんですけど〜。
木原音瀬 | Comment(4) | Trackback(1) | Top ▲










コメント
おおっ、mikuさんとこもあがった〜。
最近、谷脇関連の2作があちこちでレビュられているので、私としては嬉しいところです(´∇`)
でもまあいい加減、私も同じ事を書くわけにもいかないですなー(笑)
しかし言えるのは、2作連続で読んでやっと完結する物語なのかな、ということです。
どちらか片方だけでも読めなくはないけども、ちょっと消化不良気味になっちゃう。
通して読んで、谷脇という男の馬鹿さ加減と憐れさがじんわり伝わってきましたねー、私は。
50質で答えた好きな告白の言葉・・・わかっていただけたでしょうか!
もうホント超好き何ですけどね、アレ。
どこでも書いててスミマセン(;´Д`)
でも本当にあれで谷脇スキーになったようなもので。
No:723 2006/12/05 22:43 | 乱菊 #pMXl.iIsURL[ 編集 ]
乱菊さんへ
早速のコメントありがとうございます!
月読さんとこでもあがってましたね〜!なんだろう、私の中でも今更なこの谷脇ブーム(笑)!
そうですね。「POLLINATION」を以前単独で読んだ私は、今回「FLOWER」と続けて読んで、「このお話、こんなに深かったんだ」って衝撃でした。まるで別物でしたよ。谷脇に対しての感情も変わりました。ホントにホントに愛しい・・・。
分かります、乱菊さんがあのセリフを選んだ意味が・・・。もうあのセリフ、胸がしめつけられました。あぁこのセリフに全てが凝縮されてるんだなって。谷脇に最後にこんなセリフ言わせちゃう木原さんって、一体・・・(ヤレラタ)。あの、恋愛をゲームとかしか思ってなかった谷脇が、こんなことを言うなんて。しかも嘘とか飾ってるんじゃなくて、本当に心から・・・。
なんですか、谷脇のその自信・・・佑哉を一生大事にして下さいよ。
No:726 2006/12/05 23:30 | miku #-URL[ 編集 ]
こんにちは〜。
谷脇ワールドに堕ちてしまいましたね…ふふふ…待ってましたv
私もここ最近、皆さんのところで谷脇関連のレビューを見させて頂けるので、すごく嬉しいです♪ホントに好きなようで(/ω\*)
す、すみません;ものすごく真面目に語ってもいいですか(汗)
「FLOWER」で谷脇ワールドに嵌ったんですが、この作品で決定的になりました。
元々、自閉症について学んでそのままになってたんですよ。だから読んでるとものすごく伝わってくるものがあって。私は結局ボランティアの勉強をちょこっと…というだけで。作品の中の大学の眼鏡のお友達みたいに、中途半端なんだなって。少し知ってると逆に特別視しちゃったりとかするんだろうなと。谷脇と金髪の彼の対応は素晴らしいです。きっと真似できないです。やってあげてるって気が全くない。そこに感動すらしました。無償の愛ですよね。一番必要(だと思うのですが;)な理解と見守ることができる環境を作ってますから。そこには居場所があるんですよね。谷脇は木原作品で一番心の広い人だと思ってます。
TB、ありがとうございます!
私もTBさせて下さいね!!
No:728 2006/12/06 11:07 | 空 #m.2.LkcQURL[ 編集 ]
空さんへ
もうすっかり谷脇にやられましたよ。「FLOWER」ではひどいながらも哀れな谷脇が憎めなかったのですが、「POLLI〜」で佑哉への接し方に、相手のことは考えず自分の欲望に忠実な谷脇だけど、だからこそ佑哉の病気も関係なく接することができたのかなと。欲望のためなら病気なんか関係ないみたいな。だからこそ、松本の病気に関しても反応が今ひとつな部分もあったのでしょうか(興味ない人にはとことん興味ない?)。下手に感傷的にならないというか。それが佑哉の病気にとっては逆によかった。
あ〜上手く書けませんが。谷脇の大物な人柄を感じました。
空さんは病気について少し勉強されたんですね〜。確かに逆に知識があると、変に構えちゃうんですかね〜。私はよく知らないですけど、でもやっぱり佑哉のような感じだったら、どう接したらいいか悩んで途惑っちゃうと思います。すごいよ、谷脇!
読み終わってみると、谷脇と佑哉、お似合いのカップルだと思うんですが、谷脇って絶対最後は美人女医やかっこいい年下の男とかと一緒になるんじゃないかってタイプの人だったので(普通のBLキャラ的に!)、お似合いの相手が佑哉だということに、木原さんの個性を感じました。
あぁなんだか上手くまとまらないですが〜。書き出すと止まりません!
TBありがとうございました!
No:731 2006/12/06 22:02 | miku #-URL[ 編集 ]
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2006/12/06 | Moon stone |
POLLINATION
POLLINATIONPollinationposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27木原 音瀬著ビブロス (2000.3)この本は現在お取り扱いできません。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る裸んぼ三部作 第三作目。外科